ヘラクレスオオカブトの寿命は短い?長生きさせる方法を徹底解説!

ヘラクレスオオカブトの寿命は短い?長生きさせる方法を徹底解説!
本記事では、世界最大級のカブトムシとして知られるヘラクレスオオカブトの寿命について、詳しく解説します。飼育下での平均寿命と寿命に影響を与える5つの要因、そして長生きさせるための具体的な飼育方法まで、網羅的にご紹介します。ヘラクレスオオカブトの飼育を検討されている方、既に飼育されている方にも役立つ情報を提供します。
ヘラクレスオオカブトの平均寿命は?
ヘラクレスオオカブトの成虫の平均寿命は、一般的に成虫になってから半年〜1年と言われています。ただし、飼育環境や個体差によって大きく変動します。メスのほうがオスよりも3ヶ月程度長生きするケースが多く、幼虫期間と蛹期間を含めた全長寿命は、約2年以上もに及びます。国産カブトムシの成虫の寿命が2〜3ヶ月であることを考えると、かなり長いと言えるのではないでしょうか。
期間 | オス | メス |
---|---|---|
幼虫〜蛹 | 1年半〜2年 | 1年3ヶ月〜1年半 |
成虫 | 半年〜1年 | 半年〜1年 |
合計 | 2年〜3年 | 1年9ヶ月〜2年半 |
ヘラクレスオオカブトの寿命に影響を与える5つの要因
ここからは、ヘラクレスオオカブトの寿命に影響を与える5つの要因について解説します!
寿命への影響度(大 / 中 / 小) | 内容 | |
1 | 大 | 温度管理 |
2 | 小 | 湿度管理 |
3 | 中 | えさの種類と与え方 |
4 | 中 | ストレス |
5 | 大 | 交尾の有無と回数 |
温度管理
ヘラクレスオオカブトの飼育に最適な温度は、20℃〜25℃です。この温度を過度に下回ったり上回ったりすると寿命が短くなります。
ヘラクレスオオカブトは日本の自然環境では生きていけないため、原産地であるグアドループ諸島の平均気温に近づける必要があります。特に冬場は19℃を下回らず、夏は30℃を超えないようにしましょう。

グアドループでは1年を通して、気温は 21°Cから 31°Cに変化しますが、19°C未満または 33°Cを超えることは滅多にありません。
1月の冬場約5℃〜10℃ほどの際に新幹線で移動していました。極力負担を与えないため、ケースの外にカイロをいれた状態でヘラクレスオオカブトを持っていましたが、少し動きが鈍くなっていたため、特に冬場の温度管理には気をつけましょう。具体的な対策も記載しています。
湿度管理
湿度についても、温度と同様原産地に近い水準の、60~80%程度を保つと良いでしょう。
ただし、湿度に関しては温度ほどシビアに寿命に影響しないため、ケースの中の水滴がなくなったタイミングで霧吹きを使う程度で問題ありません。目安としては、毎日〜数日に1回ほど。冬場の乾燥しやすい時期にはこまめに使うよう心がけましょう。
えさの種類と与え方
ヘラクレスオオカブトの健康を保ち、長生きさせる上でエサは重要です。
高タンパクゼリーか栄養価の高いバナナを与えるのが基本です。スイカなどの水っぽい果物は体調を崩す可能性が高く、与えない方が無難でしょう。
ゼリーはカビが生えたらすぐに交換するなど、常に新鮮なものを用意し、食べやすい位置に置くようにして、快適な飼育環境を用意しましょう。エサは切らさないようにし、活動時のオスにはゼリーを2つ、メスには十字カットして2つ与えるなど、個体の状況に合わせて量を調整しましょう。
ストレス
ヘラクレスオオカブトはたくましい見た目には反して、環境の変化や頻繁な接触には敏感で、驚いたり無理な動きが増えると体力を消耗し、寿命にも影響が出てしまいます。ストレス軽減のポイントとして以下に気をつけましょう。
- 適切なサイズの飼育ケースを選ぶ:目安としては、オスの場合は、体長の2~3倍程度の広さのもの
- 静かな場所に置き、過度な接触を避ける
- 1匹ずつ別々のケースにいれて飼育する
交尾の有無と回数
ヘラクレスオオカブトの繁殖、いわゆる「ブリード」は、寿命に大きく関わってきます。特にオスは交尾の際に多くの体力を消耗するため、繁殖回数が増えるに従って寿命が縮む傾向があることが研究結果でも明らかになっています。
カブトムシの平均生存日数と交尾回数は負の相関があり1回の交尾につき約9日ほど寿
命を縮めていると考えられる
なるべく長く、育てたい場合は交尾の回数が少なくなるよう、オスとメスを別々のケースで飼育するといいでしょう。
ヘラクレスオオカブトを長生きさせるための具体的な飼育方法
寿命に影響を与える5つの要因を踏まえた上で、以下では、長生きさせるための具体的な飼育方法について、ヘラクレス王国での取組も交えながら紹介します。
温度計と湿度計を設置し、こまめに空調設備をコントロールする
温度と湿度を最適な温度に保てるよう、温度計と湿度計を設置し適切な温度(20℃〜25℃)になっているかモニタリングしつつ、空調設備で温度をコントロールしましょう。
特に冬場の場合は、以下のいずれかがおすすめです。
- 予算を気にしないならスマホ連動の温度計やスマホ連動の暖房
- 極力お金をかけたくない場合や、数匹だけの管理の場合は、冷気が入らないような仕切りを作り「爬虫類用ヒーター」「小動物用ヒーター」などを設置する。ただし、熱くなりすぎないよう試行錯誤が必要です。
ヘラクレス王国(キングダム)では、年間数千匹のヘラクレスオオカブトを飼育しています。IoT技術を活用しながら、温度計兼湿度計と空調設備を連動したシステムを構築し、25℃を超えたら冷房が、20℃を下回ったら暖房が自動的に動作するような環境を整えています。システムを用いることで、無理なくヘラクレスオオカブトが快適に暮らせるようにしています。
高栄養価のゼリーやバナナを1日に2回与える
長生きさせるために高栄養価のゼリーか一切れ程度のバナナを1日2回程度あげましょう。高栄養価なゼリーで代表的なものとして、KBファームのプロゼリーが挙げられます。当社をはじめとした数多くの昆虫ショップや昆虫ブリーダーも愛用しているため、迷ったらまずこちらを購入するのがおすすめです。
栄養のあるえさを与え続けることで、ヘラクレスオオカブトが長生きする確率も上がります。
1匹ずつ十分な大きさの飼育ケースを用意し、ストレスのない環境を作る
ヘラクレスオオカブトのストレス軽減には、飼育環境づくりが大切です。複数匹を1つのケースにいれてしまうとえさの取り合いなどで喧嘩になり、最悪の場合どちらかの体に傷がついたり足がかけてしまったりすることもありえます。
具体的には以下のような工夫をするとストレスを軽減できます。
- 1匹ずつ別々に飼育する
- 成虫の2倍以上の大きさの飼育ケースを用意する
- 転倒してもすぐに起き上がれるよう、流木などをいれる
- 定期的な清掃と木くずの交換を行う
交尾の回数を減らす
上述の通り、交尾の回数が多ければ多いほど寿命は短くなるため、オスとメスも別々の飼育ケースで飼育し、交尾の回数を抑えることが長生きにつながります。
寿命が近づいていてきたときに見られるサイン
以下のような症状がではじめたら、寿命が近くなっているサインです。
- えさを食べる量が減る、食いつきが悪くなる
- ひっくり返りやすくなる
- 動きが鈍くなる
- 気づいたら足(ふせつ)がかけている
こうした特徴が見られるようになった場合には、なるべく触ったりケースの外から刺激を与えたりせずに静かな最期を迎えられるようにしてあげましょう。
よくある質問
まとめ
ヘラクレスオオカブトの寿命と長生きさせるコツについて、解説してきました。
ヘラクレスオオカブトを飼育する際は、この記事で紹介した飼育方法を参考に、適切な環境を整えることで、ヘラクレスオオカブトを長生きさせることができます。また、寿命が近づいているサインを見逃さずに、最後まで大切に育ててあげてください。
ヘラクレスオオカブトの飼育を通じて、あなたの日常がより良く素敵な日々になることを願っています。